丸市倉庫株式会社

丸市倉庫株式会社 【通販物流】の運営代行を専門にしている物流会社です。

ヤフー、楽天などの大手通販、独自サイトとの受注データの自動化、
ピッキング、パッキング、宅配、料金回収など通販にかかわる物流業務をワンストップでご提供しております。

保管も3温度帯(常温、冷蔵、冷凍)があり、あらゆる通販物流が可能です。
また、基礎データが貯まった時点で、業績アップの物流サポートをすることも得意としております。

山形県のティスコ運輸様に伺いました。結城常務と近況についてお話しするとともに、現在ご利用いただいている「預かりタイヤ」について情報交換をさせていただきました。今回は、日頃からティスコ運輸様とのやり取りを担当している渡辺さんと、桃園様・太田様...
19/08/2026

山形県のティスコ運輸様に伺いました。

結城常務と近況についてお話しするとともに、現在ご利用いただいている「預かりタイヤ」について情報交換をさせていただきました。

今回は、日頃からティスコ運輸様とのやり取りを担当している渡辺さんと、桃園様・太田様との顔合わせも実現。普段は電話やシステムを通じて連携している皆様と直接お会いでき、より一層、顔の見える関係を築くことができました。
ティスコ運輸の皆様、貴重なお時間をありがとうございました!

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Grow 「企業が育つ物語📖」会社は、建物でも、設備でも、制度でもない。そこに集まった一人ひとりが、挑戦し、失敗し、悩み、学び、互いにつながりながら作り上げてきた歴史そのものである。丸市倉庫にも、約80年の歴史がある。しかし、その歴史は、最...
09/08/2026

Grow 「企業が育つ物語📖」

会社は、建物でも、設備でも、制度でもない。

そこに集まった一人ひとりが、挑戦し、失敗し、悩み、学び、互いにつながりながら作り上げてきた歴史そのものである。

丸市倉庫にも、約80年の歴史がある。

しかし、その歴史は、最初から一本の完成された道として存在していたわけではない。

私が会社を引き継いだ当時、丸市倉庫は、荷主から指示された商品を真面目に保管し、指示どおりに出荷する、地域の倉庫会社だった。

決められた仕事を、間違えずに行う。それが正しい倉庫会社の在り方だと思っていた。

ところが、荷主の倒産を経験した。

私たちが指示どおりに真面目に働いていても、お客様の経営や事業を守ることはできなかった。

その出来事によって、私たちは初めて問い直した。

「私たちは、何のために仕事をしているのか」

商品を保管するためなのか。指示された作業をするためなのか。それとも、物流を通じて、お客様の事業と、その先にいる人たちの暮らしを支えるためなのか。

この問いから、丸市倉庫の新しい物語が始まった。

物流作業をする会社から、物流をマネジメントする会社へ。さらに、物流DXによってお客様、物流業界、地域社会の課題を解決する会社へ。

しかし、新しいことに挑戦すれば、必ずうまくいかないことが起きる。

私たちは以前、ストローだけでタワーを作る研修を行った。

最初は、それぞれが自分の考える立派なタワーを作ろうとした。高く、美しく、早く完成させようとした。

ところが、高くしようとすればするほど強度が足りず、タワーは倒れた。

作っている途中では、うまくいっているように見えていた。しかし、目標を高くしたとき、自分たちの構造の弱さが現れた。

そこで、倒れたストローを捨てず、みんなが作ったものをつなぎ合わせた。

すると、最初に誰も想像していなかった、強いタワーが生まれた。

一本一本のストローは弱い。形も向きも違う。しかし、違いを理解し、適切につなげることで、一人では作れなかった強さが生まれる。

丸市倉庫も同じである。

会社の現在を支えているのは、成功した出来事だけではない。

失敗した仕事、顧客との衝突、社員同士の認知の違い、思うように育たなかった人材、採算の合わなかった業務、事故を防ぐために繰り返した指導。

それらは、捨てるべき「倒れたストロー」ではない。

何が足りなかったのか。なぜ伝わらなかったのか。誰にどのような影響を与えたのか。次に何を変えればよいのか。

一つひとつを振り返り、学習し、つなぎ直してきたから、現在の丸市倉庫がある。

社員一人ひとりにも、それぞれの物語がある。

最初から仕事ができた人ばかりではない。

判断することが怖かった人。報告できなかった人。自分のことで精いっぱいだった人。失敗して、自信を失った人。仲間と衝突した人。何度教えられても、同じことを繰り返してしまった人。

それでも、誰かに支えられ、悩み、振り返り、もう一度行動した。

以前は指示を待っていた人が、自分で問題を見つけるようになった。

自分の作業しか見えなかった人が、後工程や仲間を考えるようになった。

教えられていた人が、今度は後輩を育てるようになった。

その変化は、本人には見えにくい。

毎日努力している人ほど、今日も昨日と同じ自分に見える。しかし、過去の発言、葛藤、行動、仲間の声、顧客の評価、仕事の成果をつなぐと、確かに成長してきた軌跡が現れる。

企業OSは、その軌跡を忘れないためにある。

人を一方的に採点し、順位をつけるためではない。

本人、上司、部下、仲間、パート社員、顧客、業務実績、財務情報などの多くの視点から、その人が何に挑戦し、何に悩み、どう行動を変え、誰にどのような価値を与えたのかを明らかにする。

そして、その物語を本人へ返す。

「あなたの努力を、みんなが見ていた」

「あなたの仕事によって、この仲間が助かった」

「あなたの改善が、お客様の価値と会社の利益につながった」

「あなたは以前、ここで悩んでいた。しかし、今はここまでできるようになった」

これを本人が認知したとき、自信が生まれる。

それは、根拠のない自信ではない。

失敗しても、悩んでも、学び、行動を変え、自分自身を成長させてきたという、自分への信頼である。

成長のゴールは、会社が一律に決めるものではない。

経営者を目指す人もいれば、チーム長として仲間と働くことに誇りを感じる人もいる。専門的な技能を深める人、後輩を育てる人、家庭や余暇を大切にしながら、決められた時間の中で確実に貢献する人もいる。

誰もが同じ高さのタワーになる必要はない。

大切なのは、自分がどのような人生と役割を選び、その役割を通じて、仲間、顧客、会社、社会にどのような価値を渡すのかを、自分で認知することである。

会社は、在り方を示す。

何を大切にするのか。何のために働くのか。どのような社会を実現したいのか。

その在り方を、日々の仕事、判断、コミュニケーション、ルール、システムというやり方へ変換する。

しかし、やり方を守ることだけが目的になってはいけない。

そのやり方によって、本人、仲間、顧客、会社、地域社会が、本当に幸せになったのかを振り返る。

そして、得られた気づきを、もう一度在り方へ返す。

在り方から、やり方へ。

やり方から、結果へ。

結果から、幸せへ。

幸せから、学習へ。

学習によって、在り方がさらに育つ。

この循環が、Growである。

Growとは、売上や会社の規模だけが大きくなることではない。

人の認知が育つ。仕事が育つ。関係性が育つ。チームが育つ。顧客との信頼が育つ。会社が育つ。そして、会社と人がつながる地域社会の幸せが育つ。

挑戦すれば、タワーは何度も倒れる。

組織には揺らぎが起きる。評価を始めれば、反対する人も現れる。今まで見えなかった問題も表面に出る。

しかし、倒れないことが強さなのではない。

倒れた理由を認知し、学習し、仲間とつなぎ直し、以前より強い構造へ育てられることが、本当の強さである。

丸市倉庫は、完成した会社ではない。

これからも、一人ひとりの挑戦によって形を変え続ける。

今日の失敗も、今日の悩みも、今日誰かを助けた小さな行動も、未来の丸市倉庫を支える一本のストローになる。

会社の物語と、一人ひとりの人生の物語が重なり、互いを育てていく。

それが、私たちの企業OSである。

そして、その企業OSが目指すものを、一言で表せば、

Grow 「在り方から、幸せを育てる🌱」

中小物流企業における因果構造型DXと知財化による企業OS構築の実践研究― ハインリッヒの法則の再定義による組織学習モデルの提案 ―堀内 信 (丸市倉庫株式会社)Abstract本研究は、中小物流企業におけるデジタルトランスフォーメーション(...
15/06/2026

中小物流企業における因果構造型DXと知財化による企業OS構築の実践研究
― ハインリッヒの法則の再定義による組織学習モデルの提案 ―
堀内 信 (丸市倉庫株式会社)

Abstract
本研究は、中小物流企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の実践を通じて、現場で発生する「違和感」や「気づき」といった感情的データを因果構造として整理し、それを組織学習および企業の知的財産(企業OS)へと発展させる実践的な取り組みを報告するものである。
現在、日本の物流業界では、慢性的な人手不足、時間外労働の上限規制に端を発する「2024年問題」、多頻度小口配送による納品条件の複雑化、さらには脱炭素に向けた環境対応など、複合的かつ構造的な課題が顕在化している。こうした状況に対し、多くの企業が物流DXを推進しているが、従来の取り組みはWMS(倉庫管理システム)やTMS(配送管理システム)といった既存システムによる「自社内・単一工程における業務効率化」が中心であり、サプライチェーン全体を俯瞰した部分最適に留まるケースが散見された。
本研究では、システム化によっても解決されない構造的な課題に対し、現場の作業者が抱く違和感を組織学習の起点として捉え直した。そして、労働安全衛生分野で広く知られる「ハインリッヒの法則」を、従来の「事故発生の確率論」から、異常の予兆を捉える「組織学習の因果論」へと独自に再定義した。現場の自然言語である違和感(イライラ・モヤモヤなどの感情的負荷)を、異常を検知するための最速のシグナル(人間センサー)として捉え、その背景にある業務上の条件や意思決定の構造を因果関係として分析するアプローチである。
本稿では、実践事例として「物流コストの増大」および「トラックの長時間待機問題」を取り上げ、これらが単なる現場のオペレーション不全ではなく、商習慣や前工程の意思決定に起因する構造的欠陥であることを明らかにする。さらに、属人化しがちな現場の暗黙知を再現可能な仕組み(因果OS)として特許化し、知的財産として整理することで、中小物流企業が業界全体の競争力やステークホルダー間の連携力を向上させるための新たな知見を提示する。
キーワード: 物流DX、因果構造、組織学習、知的財産、ハインリッヒの法則、中小企業、企業OS、人間センサー、待機問題
1. はじめに
1.1 物流業界を取り巻くマクロ環境と課題の複雑化
我が国の物流業界は、現在、歴史的な転換点に立たされている。少子高齢化に伴う構造的な労働力不足に加え、働き方改革関連法に基づくトラックドライバーの時間外労働の上限規制(いわゆる「2024年問題」)が適用され、従来の労働集約型のアプローチでは物流網の維持が困難になりつつある。
国土交通省の試算によれば、何も対策を講じなかった場合、2024年度には約14%、2030年度には約34%の輸送力が不足すると警鐘が鳴らされている。さらに、EC(電子商取引)の急速な拡大に伴う配送の多頻度小口化、納品先ごとの厳格な時間指定や付帯作業(棚入れやラベル貼り等)の増加、持続可能な社会の実現に向けたCO₂排出量削減への対応など、物流企業に求められる要請は高度化かつ複雑化の一途を辿っている。
1.2 従来型DXの限界と本研究の目的
当社は長年、全国の食品物流を担う中小物流企業として、こうした環境変化に対応すべく積極的にシステム投資を行ってきた。WMS(倉庫管理システム)による在庫精度の向上、TMS(配送管理システム)による配車計画の最適化、OMS(受注管理システム)による受注処理の自動化など、ITツールを活用した「物流DX」を強力に推進してきた。
しかし、各工程におけるデジタル化が進展し、個別の作業効率が向上したにもかかわらず、現場では「慢性的な荷待ち時間の発生」「突発的な納品遅延」「トラックの積載率低下」「現場作業者やドライバーへの精神的・肉体的負荷の増加」といった問題が依然として発生し続けていた。これらの事象を深く分析した結果、これらは倉庫や配送といった「単一工程のシステム化」では決して解決できない問題であることが判明した。荷主、物流会社、配送会社、納品先(小売・卸)など、サプライチェーンを構成する複数の関係者が複雑に絡み合う「構造的な問題」であったのである。
本研究では、こうした構造的問題の根底に存在する「現場の違和感」に焦点を当てる。業務上の摩擦が生じた際に発生する感情的な反応を、単なる個人の不満や文句として処理するのではなく、業務プロセスに潜む欠陥を明らかにするための「因果構造を紐解くデータ」として再定義する。本稿の目的は、このデータをステークホルダー間で共有可能な知識へと変換し、真の全体最適に向けた共通理解を図る新しい組織学習モデル(企業OS)の構築プロセスを提示することにある。
2. 従来型物流DXの限界と課題の構造化
2.1 結果指標(KPI)管理の陥穽(遅行指標の限界)
従来の物流DXは、基本的に「指示 → 作業 → 結果」という一方通行のプロセスを前提とし、作業のスピード化、正確性の向上、およびコスト削減を至上命題としていた。そこでは、生産性(人時生産性)、遅延率、誤出荷率、トラックの積載率といった数値化された結果指標(KPI)がマネジメントの主軸となる。
しかし、この「結果重視」の考え方には重大な陥穽が存在する。KPIに基づく管理は、本質的に「問題が発生した後の事後評価と対応」にならざるを得ない。KPIはいわゆる「遅行指標(Lagging Indicator)」であり、異常が数値として顕在化した時点では、すでに顧客への迷惑や余計なコストが発生した後である。問題が発生する予兆や、その背景にある根本的な構造(なぜその遅延が起きたのかという背景)をリアルタイムに把握し、予防的な措置を講じることは極めて困難である。
2.2 部分最適のサイロ化
また、各社・各部門が導入するシステムは、多くの場合「自社・自部門の都合」に合わせて設計されている。荷主企業のERP、倉庫会社のWMS、運送会社のTMSはそれぞれ独立して稼働しており、データがシームレスに連携していない「サイロ化」の課題がある。
その結果、ある部門での「効率化」が、次工程に「しわ寄せ(ムリ・ムラ・ムダ)」を生むという構造的欠陥が放置される。たとえば、荷主が在庫を極限まで減らす「ジャスト・イン・タイム」を追求すれば、物流現場には多頻度小口配送の嵐が吹き荒れ、積載率は低下し、トラックの運行回数が増大する。これは、局所的なシステム導入が全体最適を阻害する典型例である。
3. 暗黙知の形式知化:「感情」のデータ化と人間センサー
3.1 人間センサーとしての「違和感」
前述の課題に対し、本研究が提案する「因果構造型DX」では、数値化された最終的な「結果」だけではなく、業務遂行の過程で現場作業者が抱く「判断の迷い」「業務上の不安」「理不尽な指示に対する不満」「説明しきれない業務負荷」といった主観的な「感情的違和感」を、最も重要かつ先行的な業務データ(先行指標:Leading Indicator)として取り扱う。
人間は、システム上の数値データとして異常が顕在化するよりもはるかに早い段階で、プロセスの歪みや無理を「感情(イライラ、モヤモヤ、焦り)」として直感的に察知する能力を備えている。本研究では、現場の最前線にいる従業員を高度な異常検知器、すなわち「人間センサー」として位置付ける。現場の「呟き」や「ぼやき」といった加工されていない自然言語の情報を継続的に収集し、これを無価値なノイズとして捨てるのではなく、価値あるデータとしてすくい上げる。
3.2 SECIモデルの物流現場への適用
このアプローチは、経営学者の野中郁次郎らが提唱した知識創造理論「SECIモデル」の物流現場における実践と言える。現場の個々人が身体的・感覚的に抱いている「暗黙知(違和感)」を、因果関係という論理的な枠組みを用いて「形式知化」し、組織全体で共有・学習するプロセスである。
「なぜか今日は段取りが悪い」「この指示には無理がある」といった感情は、まだ誰も責任を問われていない段階での「最速の警報」である。この警報が鳴った時点でプロセスを止めて因果を遡ることで、問題が「結果(KPIの悪化や大事故)」として顕在化する前にプロセスを修正する、予防的かつ学習し続ける組織づくりが可能となる。
4. 組織学習のパラダイムシフト:丸市倉庫版ハインリッヒの法則
4.1 従来の安全管理における限界
労働安全衛生や品質管理の分野で広く引用される「ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)」は、「1件の重大事故の背後には、29件の軽微な事故があり、さらにその背後には300件のヒヤリハット(異常状態)が存在する」という経験則である。この法則は、重大事故を防ぐためには底辺にある300のヒヤリハットを撲滅すべきであるという「事故の確率論」として、長らく安全管理の金字塔とされてきた。
しかし、これをそのまま業務改善や組織マネジメントに適用しようとすると、「いかにミスを減らすか」「いかに作業者に注意を促すか」といったネガティブな事象の抑制・監視に終始してしまいがちである。これでは、新たな価値創造や、商習慣を巻き込んだ構造的なプロセス改善には結びつきにくい。
4.2 因果OSへの昇華(丸市倉庫版モデルの定義)
本研究では、この法則を単なる事故防止の枠組みから脱却させ、組織学習と継続的改善を促進するための「因果論」として抜本的に再定義した。これが本研究におけるコア・アーキテクチャである「因果OS」である。
• 300(現場の違和感・人間センサー):
従来の「ヒヤリハット(ミスの一歩手前)」を、現場の自然言語である「イライラ」「モヤモヤ」「違和感」へと置き換える。これは、段取りの悪さや前工程からの情報のズレに対する感情的な反応であり、事態が数値化・顕在化する前の「最速のシグナル」である。
• 29(顕在化した異常と因果パターン):
違和感を放置した結果発生する、中間的なトラブルやミスの段階である。本研究では、これを単なる「小事故」ではなく、「どの工程の、誰の、どのような意思決定が、どのような条件のもとでその異常を引き起こしたのか」という因果関係の型(パターン)として定義する。これは、属人的なミスを責めるためのものではなく、再発防止とプロセス修正のための「因果の地図」として機能する。
• 1(目的に応じた解釈と価値の派生):
従来の「重大事故という頂点(避けるべきネガティブな結末)」から、「改善と価値創造の起点」へと意味を逆転させる。同じ因果パターンの地図であっても、それを見る目的(経営視点、物流視点、営業視点、ESG・環境視点など)によって無限の解釈が可能となる。この頂点は終着点ではなく、新たなルール形成、契約見直し、教育プログラムへの反映へと価値が派生していく交差点となる。
従来のハインリッヒの法則が、頂点の「事故」へと向かって収束していく閉鎖的なモデルであったのに対し、本提案モデルは、底辺の「違和感」を起点として因果を遡り、頂点に達した際に多様な価値へと「拡散」していく開放型の学習モデルである。
5. 因果構造型DXの実践事例:構造的課題の解明
従来の物流DX(単一工程の効率化)と因果構造型DX(全体最適の学習)の違いを明確にするため、以下に実際の物流現場で発生した2つの重大な課題解決事例を示す。
5.1 事例1:「物流費上昇」における真因の解明と商流へのアプローチ
【事象・結果】
期末のデータ集計において「緊急配送費などの物流コストが予算を大幅に超過している」という結果が顕在化した。
【従来の評価(事後対応)】
従来、この結果に対して経営陣は物流部門にコスト削減を強く要求する。物流部門は「現場の努力不足」と評価され、配車ルートの無理な見直し、協力運送会社への値下げ交渉、現場の残業削減といった「対症療法」を強いられ、結果として現場の疲弊を招いていた。
【因果構造型DXによる遡及(300からの学習)】
現場の人間センサーから「最近、急な出荷指示が多くてバタバタする(モヤモヤ)」「急に変更されるせいで、高いチャーター便を呼ばざるを得ず悔しい(イライラ)」という感情データを抽出した。これを起点に因果を遡ると、以下の構造が判明した。
1. 【営業部門】 販売予測の精度不足、または特売情報の共有漏れが発生。
2. 【出荷指示】 結果として、物流部門への出荷指示データ(EDI)の送信が規定時刻を大幅に遅延。
3. 【物流現場】 荷揃えから配送までの「物流リードタイム」が極端に不足。
4. 【配送手配】 通常の混載便に間に合わず、積載率の低い緊急チャーター便を手配。
5. 【結果】 トラックの積載率が低下し、1個あたりの配送単価が跳ね上がり、「物流費が上昇」。
【改善・派生価値(1の段階)】
物流費上昇の真因は物流現場ではなく、「販売予測の不足」と「情報共有の遅延」というシステム全体のエラーであった。この事実に基づき、単に物流現場を叱責するのではなく、営業部門との間で「指定時刻以降の出荷指示は翌日配送とする」という社内ルールの改定や、荷主との納品条件の再契約といった根本的な改善(原因療法)を実施した。
5.2 事例2:「待機時間(荷待ち)問題」の構造的解決
【事象・結果】
物流センターにおいて、「トラックの長時間待機(平均2時間以上)」が恒常的に発生しており、2024年問題への対応が急務となっていた。
【従来の評価(事後対応)】
従来の評価では、「倉庫側の荷役作業が遅い(効率の問題)」、あるいは「ドライバーが勝手に早く来すぎる(モラルの問題)」とされがちであった。解決策として、倉庫作業員を増員したり、高額なバース予約システム(トラックの到着時間を管理するITツール)を導入したりするものの、根本的な解決には至らなかった。
【因果構造型DXによる遡及(300からの学習)】
倉庫の作業員からは「まだ商品が揃っていないのに、トラックがバース(荷受所)に並んでいてプレッシャーを感じる(焦り)」、ドライバーからは「いつ呼ばれるか分からないまま長時間待たされて無駄だ(イライラ)」という強力な違和感が抽出された。この感情を起点に因果を遡ると、以下の2つの大きな構造的要因が浮かび上がった。
1. 【納品先の制約】 トラックが午前中の特定の時間に集中する原因を探ると、納品先(小売店・量販店)の「午前中納品(AM必着)」という厳格かつ画一的な納品条件が存在した。ドライバーはこれに間に合わせるため、一斉に早朝から物流センターに押し寄せていた。
2. 【荷主の制約】 トラックが到着しても商品が揃っていない(ピッキングが終わっていない)原因を探ると、荷主の営業部門からの「当日出荷の追加・変更指示(いわゆる「ねじ込み発注」)」の締め切り時間が極めて遅く、現場の作業開始が物理的に遅れざるを得ない構造があった。
【改善・派生価値(1の段階)】
待機問題は、「現場の作業スピード」や「バースの予約管理」の問題ではなく、「納品先が強いる硬直的なリードタイム」と「荷主の営業都合による発注ルールの曖昧さ」が衝突した結果生じる、サプライチェーンの構造的欠陥であることが証明された。
これを受け、当社は客観的な因果データを持って荷主および納品先と協議に入った。結果として、営業部門には「追加発注の締め切り時間の厳格化(前日夕方まで)」を了承させ、納品先に対しては「リードタイムの1日延長」や「午後納品・夜間納品の許容」を交渉・実現した。これにより、トラックの到着が分散され、結果として待機時間は劇的に削減された。この事例は、単なる「物流DX」が、商流(取引条件)を巻き込んだ「ビジネスプロセスの再構築」へと昇華した好例である。
6. 知財化による企業OSの構築と戦略的意義
6.1 経験と暗黙知の資産化
近年、多くの企業がDXやAIの導入を声高に叫んでいる。しかし、市販のパッケージシステム(WMS等)や汎用的なAIアルゴリズムそのものは資金さえあれば他社も容易に導入・模倣が可能であり、システム導入単体で持続的な競争優位性を維持することは困難になりつつある。
一方、現場の最前線で培われた「どのような状況で違和感を抱くか」「その違和感がどのような因果関係を経てトラブルに発展するか」という経験則や判断の連鎖は、その企業独自の歴史と文化に根ざした無形の知的資本である。当社では、人が代われば失われてしまう属人的な「現場の違和感」を、単なるマニュアル化に留めず、再現可能なデータ構造・システム処理の仕組みとして定義し、その設計思想そのものを「特許」として出願・取得した。これは、物流DXの取り組みを単なる社内改善から、企業独自のプラットフォーム、すなわち「企業OS」へと昇華させる試みである。
6.2 企業OSの知財化がもたらす3つの価値
この「因果構造化プロセス」を知的財産(特許等)として固定化することには、中小企業にとって極めて重要な以下の3つの戦略的価値がある。
1. 独占(競争優位の源泉):
独自の仕組みやビジネスプロセスを特許の網で保護することにより、他社による容易な模倣を防ぐ(防衛的知財戦略)。大資本による単なる価格競争や設備競争に巻き込まれることなく、独自の付加価値を持ったサービスモデルとして市場での独占的優位性を確保する。
2. 連携(オープンイノベーションの基盤):
属人的な感覚が特許技術として形式知化されることで、他企業や研究機関に対する明確なインターフェース(接続点)が生まれる。この「因果OS」のアルゴリズムは、将来的にSaaS(Software as a Service)等として業界標準化を目指すものであり、大学との共同研究、大企業とのアライアンス、同業他社へのライセンス提供といったオープンイノベーションを強力に促進する。
3. 信用(無形資産の可視化と評価):
中小企業が持つ「現場力」は、これまで財務諸表(B/S)に表れない評価の難しい資産であった。しかし、これが特許という公的な権利として客観視されることで、金融機関からの資金調達、他業界との業務提携、あるいはM&A等において、自社の知的資本としての企業価値を証明する強力なエビデンス(信用力)となる。
実際に、当社の取り組みは「感情の数値化と因果構造への昇華」「属人化の防止と特許化」という独自性の高いDX実践として、『週刊ダイヤモンド(2025年3月15日号)』等の著名なビジネスメディアでも特集記事として高く評価されており、第3者機関からの客観的な評価も獲得している。従業員の気づきや違和感を客観的なデータとして扱っている点が、先進的な組織マネジメントの手法として注目を集めている証左である。

7. 多産業への社会実装と今後の展望
本研究が提案する「違和感を起点とする因果構造型DX(組織学習モデル)」の適用範囲は、決して物流業界に限定されるものではない。
例えば、建設業界においては、前工程の遅れや図面の不備に対する現場監督や職人の「モヤモヤ」を収集・因果構造化することで、大規模な工期の遅延や安全事故を未然に防ぐことができる。介護・医療業界においては、スタッフが感じる患者の「いつもと違う様子」や業務フロー上の「イライラ」を因果データ化することで、重大な医療事故(インシデント)の防止やケアの質の向上、さらには心理的安全性低下によるスタッフの離職防止に直結させることが可能である。製造業においても、サプライチェーン上の微細な供給遅れの予兆をデータ化することで、大規模なラインストップを回避できる。
このように、複数の工程が連続し、多様なステークホルダーが関与し、結果的に不確実性が高まるあらゆる産業や自治体の現場において、本モデルは「汎用的な課題解決と学習のOS」として横展開(社会実装)できる高いポテンシャルを秘めている。
8. 結論
本研究では、中小物流企業における従来の「結果追及型・効率化至上主義」の物流DXの限界を指摘し、現場の「違和感(感情データ)」を起点として因果構造を紐解く、新しい「因果構造型DX」の概念と実践プロセスを提案した。
物流費上昇や待機時間問題といった2024年問題の核心的課題に対し、本アプローチは「現場への責任転嫁」を防ぎ、商習慣を含めた構造的な全体最適を実現する強力な手段となる。労働安全のセオリーであったハインリッヒの法則を再定義し、事故防止の枠組みから、組織全体が学習と継続的改善を回すための枠組みへと昇華させた点が、本研究の最大の学術的・実践的特徴である。
さらに、この一連の思考プロセスを知的財産(特許)として保護・資産化することにより、中小企業が独自の競争力、連携力、および社会的な信用力を飛躍的に高める「企業OS」を構築できることを実証した。今後は、本研究で確立した概念のAIを用いた自動解析領域への実装を進めるとともに、さらなる実践事例の蓄積を図り、物流業界のみならず、持続可能な社会インフラ全体の最適化と発展に寄与していきたい。
参考文献
(1) 経済産業省:「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格展開~」2018
(2) 国土交通省:「物流の2024年問題について」および総合物流施策大綱
(3) 特許庁:「スタートアップのための知財戦略(IP BASE)」
(4) Heinrich, H.W. Industrial Accident Prevention: A Scientific Approach, McGraw-Hill, 1931
(5) 丸市倉庫株式会社 社内研究・実践報告資料
(6) 丸市倉庫株式会社 特許庁J-PlatPat掲載 特許・実用新案出願情報
(7) ダイヤモンド社:「週刊ダイヤモンド 2025年3月15日号」および「ダイヤモンド・オンライン」丸市倉庫 特集記事

https://www.manualz.jp/letter/souko/
01/04/2026

https://www.manualz.jp/letter/souko/

1949年(昭和24年)創業。 効率的な物流を実現する「物流マネジメント事業」、物流に関するWEBシステムやアプリを開発する「情報システム事業」、商品を保管し消費者へと繋げる「物流サービス事業」を展開する。時代の.....

https://the-yamanashi-interview.com/maruichi-souko/
01/04/2026

https://the-yamanashi-interview.com/maruichi-souko/

創業から75年以上。山梨県に根を張る丸市倉庫株式会社は、製糸業から倉庫業へと業態転換を果たした1949年から、時代の変化に合わせて進化を続けてきました。現在は倉庫業・物流業に加え、現場データを活用した物流DXの....

本日(2026年3月31日)、山梨日日新聞にて丸市倉庫の新サービス「交換タイヤ」が掲載されました。本サービスは、タイヤ交換の“待たされる不便”という現場の課題に向き合い、予約アプリによって作業時間を可視化し、繁忙期の混雑解消を実現する取り組...
31/03/2026

本日(2026年3月31日)、山梨日日新聞にて
丸市倉庫の新サービス「交換タイヤ」が掲載されました。

本サービスは、タイヤ交換の“待たされる不便”という現場の課題に向き合い、
予約アプリによって作業時間を可視化し、繁忙期の混雑解消を実現する取り組みです。

これまで当たり前だった「長時間待つ」という体験を見直し、
利用者の利便性だけでなく、現場の負担軽減や働きやすい環境づくりにもつなげています。

物流DXで培ってきた考え方を、生活に身近なサービスへ。
「現場の違和感」を価値に変え、社会に届けていきます。

ぜひ記事もご覧ください。

#丸市倉庫 #交換タイヤ #待ち時間ゼロへ #業務改善 #地域活性化 #山梨 #新サービス

週刊ダイヤモンドに記事が掲載されました。【感情をデータとして扱い、因果構造として定義】“現場の違和感”を特許にした物流会社プレビューURはこちらです: https://diamond.jp/preview/5c5e0bb9a6373f098...
30/03/2026

週刊ダイヤモンドに記事が掲載されました。
【感情をデータとして扱い、因果構造として定義】
“現場の違和感”を特許にした物流会社

プレビューURはこちらです:
https://diamond.jp/preview/5c5e0bb9a6373f098caf188b186483b300e34380
よろしければぜひご覧ください。

従来のハインリッヒの法則では、
「1つの重大事故の裏に29の軽微な事故、300のヒヤリ・ハットがある」と言われています。

しかし現実の運用はどうか。

多くの場合、
重大事故が起きてから“どのヒヤリ・ハットを見逃していたかを振り返る
という後追い型になっています。

そこで私たちは、このプロセスを逆転させました。

300の“ヒヤリ・ハット”ではなく、
日々現場で生まれている

「イライラ・モヤモヤ(自然言語)」

これを――

データ化 → AIで因果構造化 → 再利用

そして最大のポイントはここです。

従来の「1」に収束する考え方ではなく、
「無限大(∞)」に価値を広げていくモデル

これを
丸市版ハインリッヒとして定義しました。

インターネット、スマートフォンなどのIoTデバイス、
そしてAI。

この時代だからこそ実現できる考え方です。

すでに特許を出願を済ませてあります。
これからは実際のビジネスに実装し、
この価値を証明していきます。

「違和感」を放置しない。
それを“価値”に変える。

ここに、物流DXの本質があります。

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段取りも数字も整っている。それでも現場には説明できない停滞感が残る──物流の現場で繰り返されてきたこの違和感を、丸市倉庫は「感情の問題」として片付けなかった。現場のイライラやモヤモヤを異常の兆しとして...

27/03/2026

最近、ハインリッヒの法則を
「現代版の価値あるコンセプト」としてどう再構築できるか。

そして、それを社会課題の解決につながるモデルにできるのか。

そんなテーマを、皆さんと共有していきたいと考えています。

この考え方は、すでに一部は特許化されており、
今回のモデルについても特許出願済みです。

つまり――
単なる理論ではなく、
**ビジネスとして活用できる構造**になっています。

このモデルを活用したい企業様には、
パテントの一部利用契約という形で、
連携しながら導入していただくことも可能です。

ご興味のある方は、ぜひご相談ください。

一緒に新しい価値を創っていきましょう。


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#ビジネスモデル
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#知財戦略
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Recently, I’ve been exploring how Heinrich’s Law can be redefined into a **modern, value-driven concept**—one that can truly contribute to solving social challenges.

I’d like to start sharing this idea with all of you.

Parts of this concept have already been patented,
and the latest model has also been filed as a patent.

In other words—
this is not just theory, but a **practical, business-ready framework**.

For companies interested in applying this model,
we offer collaboration through **patent licensing agreements**.

If you’re interested, feel free to reach out.

Let’s create new value together.









私たちは「品質管理」ではなく 「品質保証の物流」 に挑戦します。検査や監視ではなく、仕組みそのものを変えて、物流の現場から安心と信頼をつくり出す。待機時間や契約外作業、CO₂排出などの社会課題を、ただ“見える化”するだけではなく、保証できる...
17/09/2025

私たちは「品質管理」ではなく 「品質保証の物流」 に挑戦します。

検査や監視ではなく、仕組みそのものを変えて、物流の現場から安心と信頼をつくり出す。

待機時間や契約外作業、CO₂排出などの社会課題を、ただ“見える化”するだけではなく、保証できる仕組みとして未来に残す。

点で積み重ねてきた特許や技術は、いま線となり、面となり、サプライチェーン全体を支える力に変わりつつあります。

これからは「物流DX」を通じて、
人と人が信じ合える物流、社会に誇れる物流を実現していきます。

一緒に挑戦してくれる仲間と、共感してくださる皆さまと、

新しい物流の未来を描いていきたいと思います。

住所

湯田2-7/9
Kofu-shi, Yamanashi
400-0864

営業時間

月曜日 07:30 - 17:00
火曜日 07:30 - 17:00
水曜日 07:30 - 17:00
木曜日 07:30 - 17:00
金曜日 07:30 - 17:00
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電話番号

055-235-4664

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