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28/08/2026

2026年8月28日(金)
「ウォーシュ議長の講演待ち」
 
【ひと目で分かる昨晩の動き】NY市場
 
ドル円は引き続き159円台で変わらず。上にも下にも動けず、今夜11時のウォーシュFRB議長の講演内容を見極めたいとする雰囲気が広がる。
 
ユーロドルも1.16台でもみ合い変化なし。
 
株式市場では、前日決算発表を行ったエヌビディアが大きく買われ、相場全体を牽引。ナスダックは411ポイント上昇し、同社株は一時10%上昇する場面も。
 
債券は続落し、長期金利は4.67%台に上昇。
 
金は反発し、原油も買われる。
 
*******************
新規失業保険申請件数 → 20.3万件
*******************
 
ドル/円
159.25 ~ 159.46
 
ユーロ/ドル
1.1640 ~ 1.1660
 
ユーロ/円
185.49 ~ 185.81
 
NYダウ
+105.56 → 53,569.44ドル
 
GOLD
+10.70 → 4,664.00ドル
 
WTI
+1.30 → 83.53ドル
 
米10年国債
+0.03 → 4.676%
 
【本日の注目イベント】
 
日 8月東京都区部消費者物価指数
日 7月失業率
独 独7月輸入物価指数
独 独8月雇用統計
欧 ユーロ圏8月景況感指数
欧 ユーロ圏8月消費者信頼感指数(確定値)
米 8月シカゴ購買部協会景気指数
米 8月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
米 ウォーシュ・FRB議長講演(ワイオミング州ジャクソンホール)
加 カナダ4-6月期GDP
 
【本日のコメント】
 
ドル円はますます膠着状態です。市場参加者の多くは、今夜11時からワイオミング州ジャクソンホールで行われるウォーシュFRB議長の講演をきっかけに動きが出ることに期待していますが、その可能性はそれほど高くはないと予想しています。ウォーシュ氏は、もともとFRBによる積極的なフォワードガイダンスには消極的であったことから、今後の金融政策に関してその方向性を示唆することはない可能性があります。もちろん予想外の発言があれば、エネルギーが溜まっているだけに、市場は大きく動きますが、あまり期待しない方が良いようです。昨日埼玉県で行われた氷見野日銀副総裁の講演も同じく、これまでの植田総裁の発言と変わったところは特になく、9月利上げを確信させるものではありませんでした。個人的には、9月利上げにもっと前向きな発言を予想していました。
 
トランプ政権の通商交渉トップであるグリアUSTR代表は、カナダ放送協会(CBC)とのインタビューで、「カナダは米国の酒類や蒸留酒の販売を禁止した。われわれはカナダからの輸入品を何も禁止していない。カナダは特定の米国製自動車の輸入に上限を設け、各州の調達から特定の商品やサービスを排除している」と述べた上で、「繰り返すが、われわれはこうした禁止措置を講じたことはなく、かなり極端なものだ。しかし、われわれも同様の措置を講じる必要があるのかもしれない」と述べ、一部のカナダ産品の禁輸を検討する可能性を示唆しました。これまではなかったほど米国とカナダとの通商対立は激化し、新たな段階に入る可能性が出てきたようです。加えて、オンタリオ湖の名称変更は半分冗談かと思っていましたが、トランプ大統領は27日、オンタリオ湖を「アメリカ湖」に改称する措置に署名し、「即時発効」するとしています。上述のように、通商交渉が決裂する中、カナダとの対立を一段と先鋭化させています。今回の措置で、内務省に対して30日以内に連邦政府のデータベースや資料での名称を変更するよう指示しました。隣国カナダにどのようなメッセージを送るのかとの問いには、「カナダは長い間、貿易で米国から不当に利益を得てきた」と述べていました。ブルームバーグは、「オンタリオ湖は五大湖の一つで、米ニューヨーク州とカナダ・オンタリオ州の間に位置し、両国の国境にまたがっている。トランプ氏による一方的な改称をカナダ側が拒否するのはほぼ確実だ。トランプ氏が今週初めに改称の可能性に言及した際、カナダのジョリー産業相は『われわれはこれからもオンタリオ湖と呼び続ける。以上だ』と述べていた。トランプ氏の署名後、この日の記者会見で改めてこの問題について質問されたが、それ以上のコメントは控えた」と報じています。トランプ氏は昨年、メキシコ湾を「アメリカ湾」に改称し、これも主要貿易相手である隣国メキシコへの当てつけと受け止められた経緯があります。ただ、名称変更は連邦政府の文書や通信に適用されましたが、メキシコを含む他国では広く認められてはいません。
 
今朝の日経新聞は、「ドル売りサイン点灯」との見出しで、ドル円では、ドル高トレンドが転換した可能性が示唆されているとの記事を掲載しています。理由には、FRBによる利上げが年内1回であり、しかもそれは市場にはすでに織り込まれていることを挙げています。またテクニカルでも、筆者も基本としている「一目均衡表」で「三役逆転」が示現したことを挙げ、さらに「ドル指数」でも、ローソク足が重要な「200日移動平均線」を下抜けしたとしています。いずれもテクニカルでは納得させられるものですが、今回ドル高円安が急速に進行した最大の要因である「日本の財政悪化懸念」に重きが置かれていません。今回の「三役逆転」も、いわば介入という「力」でゆがめられた結果であって、そのまま受け入れるにはやや違和感もあります。「テクニカルは正しい」ということを前提とすれば、ドル高傾向転換の可能性も否定できませんが、筆者は、「日本の積極財政」、「ロシアとウクライナ戦争」、さらには原油価格の下落を阻む「イラン戦争」など、依然としてドルが有利な立場であることは変わっていない。また、今後の日米金融政策の方向性も並行で、むしろインフレが加速した場合には、FRBの方がより機動的だと思われる。つまり、周りを見渡しても何ら変わったところはなく、当局の介入が最大の円高要因であることに変化はないと考えています。ただそれでも、ここ2週間程は159円台半ばで、ことごとく上昇が抑えられていることを考慮して、「円高」へのリスクも頭の片隅に置いておくことは必要かもしれません。
 
本日のドル円は158円~160円程度を予想します。
 
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27/08/2026

2026年8月27日(木)
「米7月のPCE価格指数上振れ」
 
【ひと目で分かる昨晩の動き】NY市場
 
7月のPCE価格指数がやや上昇していたことでドル円は159円44銭まで買われる。米国では依然としてインフレ懸念が根強く、利上げ観測も払拭できず。
 
ドルが買われユーロが売られたものの、ユーロドルは依然として1.16台を維持。
 
株式市場では、米金利が上昇したことで3指数が揃って小幅に下落。引け後に発表されるエヌビディアの決算発表待ち。
 
債券は売られ、長期金利は4.64%台に上昇。
 
金は続落し、原油も小幅安。
 
*************************
4-6月GDP(改定値) → 1.5%
7月個人所得 → 0.4%
7月個人支出 → 0.2%
7月PCEデフレータ(前月比) → 0.2%
7月PCEデフレータ(前年比) → 3.7%
7月PCEコアデフレータ(前月比) → 0.2%
7月PCEコアデフレータ(前年比) → 3.3%
7月耐久財受注 → 1.1%
*************************
 
ドル/円
158.93 ~ 159.44
 
ユーロ/ドル
1.1642 ~ 1.1675
 
ユーロ/円
185.37 ~ 185.75
 
NYダウ
-113.52 → 53,463.88ドル
 
GOLD
-41.20 → 4,653.30ドル
 
WTI
-0.13 → 82.23ドル
 
米10年国債
+0.018 → 4.647%
 
【本日の注目イベント】
 
豪 豪4-6月期民間設備投資
日 氷見野日銀副総裁、埼玉県金融経済懇談会で講演
独 独9月GFK消費者信頼調査
欧 ECB議事要旨
米 新規失業保険申請件数
加 カナダ4-6月期経常収支
 
【本日のコメント】
 
ジャクソンホール会合でのアジェンダが概ね分かってきました。注目されるウォーシュFRB議長は、日本時間28日の午後11時から講演することになりました。ただ、ウォーシュ氏はこれまで過剰なフォワードガイダンスには否定的な立場を示してきただけに、どの程度今後の金融政策の方向性についてのヒントを与えてくれるのかは不透明です。市場が期待するほどの明確なメッセージが得られない可能性もありそうです。一方、植田日銀総裁は同会合を欠席することが決まっています。ただ、その理由は6月に患った「肝嚢胞感染症」のためではなく、8月31日から9月1日に米アシュビルで開かれる「G20財務相・中央銀行総裁会議」に出席するからだとのことです。植田総裁の代わりには田村審議委員が出席するようです。
 
「米7月のPCE価格指数」が市場予想を上回り、米国では依然としてインフレ懸念が払拭できません。筆者は、年内少なくとも1回の利上げ予想を維持していますが、イラン戦争の影響により原油価格の高止まりや、膨大な戦費の拡大など、今後のインフレ率を押し上げる種は育っていると見ています。ドル円は東京時間ではドルの上値が重く158円台まで押し戻されますが、海外市場では再びドルが買われ159円台で戻って来る展開が続いています。今朝も通信社の記者と話しましたが、「ジャクソンホールでのFRB議長の発言が無風であったら、しばらく動く材料が見当たらない」と嘆いていました。「米ワイオミング州で27-29日、ジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)が開催される。各国の中央銀行当局者は、世界経済が新たな脅威に直面する中、世界的にインフレへの認識が見直され、借り入れコストが上昇する可能性を強調するとみられる」(ブルームバーグ)との見方が、市場の一般的な予想のようです。ドル円は、先日も触れましたが、ドルの上値は一目均衡表(日足)の基準線がある159円61銭近辺で完全に抑えられており、下値は旺盛なドル需要が158円半ば近辺でドルの下落を止めている状況が続いています。
 
先週、トランプ政権が国際刑事裁判所(ICC)の赤根所長などを制裁対象にすることを発表し驚きましたが、赤根氏は昨日オンラインで記者会見を行いました。「正義は常にその対極にあるものに優越する。信念を貫く。ICCが無くなれば、力の支配が法の支配を駆逐していく過程に入ってしまう」と、法の支配の危機を訴えていました。赤根氏はその上で、「そうなると日本国内でも、強い国に従っていればよいという空気がはびこる危機が起こる」ことを懸念し、「戦争犯罪などを捜査・訴追できる国がない場合、最後の砦となるのがICC。被害者にとっては最後の希望だ」と主張していました。米国の制裁発動により、赤根氏はすでにクレジットカードが使用できないなど、日常の生活に支障が出ているそうですが、(他の加盟国が)「米国の運動に負けて退場を決めないよう注力してほしい」と、日本政府にも要望していました。
 
マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツ氏は26日、自身のウェブサイトで、「AIはこれまで発明されたものの中で最大の格差是正手段になるか、最悪の不公正をもたらすかのどちらかだ」と記し、「強力なAI技術が取り返しのつかない危害をもたらす前に、各国政府は直ちに規制に向けた措置を講じるべきだ」と訴えています。また、ロイター通信は、「ビル・ゲイツ氏は11月に予定されている中国訪問の際、習近平国家主席との会談を実現するため調整を進めている」と報じています。ゲイツ氏はロイターとのインタビューで、「米国が先に行動を起こせば、中国も潜在的に危険なAIモデルの公開を制限することに同意する可能性があるとの見方を示した」と伝えていました。
 
本日のドル円は158円60銭~159円90銭程度を予想します。
 
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26/08/2026

2026年8月26日(水)
「カナダ、米国に対して同規模の報復措置を発表」
 
【ひと目で分かる昨晩の動き】NY市場
 
東京時間で買われたドル円はNYでも小動きの中、終始159円台前半で底堅く推移。
 
ユーロドルでも目立った動きはなく、1.16台後半での取引。
 
株式市場では、米金利の低下に3指数は揃って上昇。ダウは160ドル買われ、3日続伸。
 
債券は買われ、長期金利は4.62%台に低下。
 
金は小幅に反落し、原油は2ドルを超える下落。
 
***************************
6月S&P Cotality CS20-City YoY NSA → 2.10%
6月FHFA住宅価格指数 → 0.0%
8月リッチモンド連銀製造業景況指数 → 4
7月新築住宅販売件数 → 60.7万件
8月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 89.4
***************************
 
ドル/円
159.10 ~ 159.32
 
ユーロ/ドル
1.1660 ~ 1.1679
 
ユーロ/円
185.67 ~ 185.93
 
NYダウ
+160.24 → 53,577.40ドル
 
GOLD
-3.23 → 4,694.50ドル
 
WTI
-2.65 → 82.36ドル
 
米10年国債
-0.067 → 4.629%
 
【本日の注目イベント】
 
米 4-6月GDP(改定値)
米 7月個人所得
米 7月個人支出
米 7月PCEデフレータ(前月比)
米 7月PCEデフレータ(前年比)
米 7月PCEコアデフレータ(前月比)
米 7月PCEコアデフレータ(前年比)
米 7月耐久財受注
 
【本日のコメント】
 
ドル円は動きません。ここ2週間ではほぼ158円台前半から159円台半ばで推移しており、今日も大きな動きは期待できない状況です。ただ、明日からは恒例のジャクソンホール会合が始まりウォーシュFRB議長が講演を行います。同氏にとっては初めての同会合での講演となり、発言次第では動きがあるかもしれません。市場が注目するのは、議長が簡素化したコミュニケーション手法をどのような形で表現するのかという点と、利上げに関するスタンスです。ブルームバーグは、「ウォーシュ議長が直面している課題は、将来の政策運営に関する手がかりを投資家に手取り足取り教えるつもりはないという決意を曲げることなく、経済に関する自身の見解を率直に伝えていないという批判に反論することだ。ワイオミング州ジャクソンホールで開催される年次シンポジウムは、そのバランスを取る絶好の機会となる」とその手法に注目しており、市場からは「ウォーシュ氏は明らかに、情報を出し過ぎないよう控えたいと考えている。しかし、なぜ現在の政策姿勢を取っているのか、現在の状況をどう見ているのかについて、ある程度の透明性とコミュニケーションは、市場が求める合理的な要求だ」との声も聞こえています。SF連銀のデーリー総裁はブルームバーグ・テレビジョンのインタビューで、「われわれの信頼性が危ぶまれているとは思わない」と述べ、ボストン連銀のコリンズ総裁は25日、「現時点では金利を据え置くことを支持する」としつつも、その前提として、「インフレ率が2%の目標に向けて鈍化する動きがさらに進展する必要がある」との考えを示していました。
 
カナダのカーニー首相は25日、トランプ大統領が週末に発動した新たな関税に対し、同規模の「報復措置」を打ち出しました。また、貿易戦争の激化で打撃を受けるカナダ企業への支援策もあわせて発表しています。発表によると、米国産の鉄鋼・アルミニウム製品に課している報復関税を現行の2倍となる「50%」に引き上げ、米国製の家具や衣料品のほか、家庭用ゲーム機やスマートフォンなどの電子機器にも新たに「50%」の関税を課すというものです。今回の報復関税の対象は、年間輸入規模で約200億ドル(約3兆1800億円)に上るとのことです。これは、トランプ氏が関税法338条に基づき、22日未明に発動したカナダ製品に対する関税とおおむね同規模のようです。カナダが発表した新たな関税は9月8日に発効する予定になっています。このほか、米国産の家電製品やチーズ、魚介類、一部の鉄鋼・アルミニウム派生製品には新たに「25%」の関税を課し、米国製の各種機械や産業用工具、農業機械には「15%」の関税を適用します。カナダ中銀総裁や、バンク・オブ・イングランド(BOE)総裁を歴任したカーニー氏は、極めて論理的で、公正な人物と評されていますが、さすがにトランプ氏の「暴挙」には、報復するしかないと判断したのでしょう。ブルームバーグは、「今回の報復関税は、トランプ氏に対するカーニー首相の姿勢が大きく転換したことを示す。カーニー氏は1年前、関係改善と交渉入りを目指し、米国製品に対するカナダの報復関税の多くを撤廃。合意を実現するため、これまで特にデジタル政策を巡って数多くの譲歩を重ねてきた。しかし、両国の通商協議は21日に決裂。カーニー氏は24日、米当局が鉄鋼やアルミニウム、自動車といったカナダの主要産業を壊滅させることを狙っているのが明らかになったとの認識を示した」と報じています。報復関税を発表したカナダは声明文で、「米国はカナダの利益にならない新たな条件を提示した。要するに、カナダに過剰な要求を行う一方、見返りはあまりに少なかった」と説明していました。
 
かつて、トランプ氏は、「カナダを米国の51番目の州にする」と暴言を放ったこともあり、トランプ氏第2期就任時から両国の関係はギクシャクしていました。また、今回の交渉決裂後トランプ氏は5大湖の一つ「オンタリオ湖」を、「アメリカ湖」に改称すると警告し、激化するカナダ当局者との舌戦をエスカレートさせました。トランプ氏はSNSへの投稿で、「米国はオンタリオ湖の名称をアメリカ湖に変更することを真剣に検討している。われわれは今後、オンタリオ州とあまりビジネスをすることはないと考えているからだ」と述べ、カナダが報復関税を発表したとはいえ、まるで子供のけんかのような発言を行っていました。
 
財務省は2027年度一般会計当初予算の概算要求で、利払い費や債務償還に充てる「国債費」を「36兆6386億円」要求する模様です。高市政権が掲げる予算制度改革でその他の要求も増え、総額は「130兆円超」と、過去最大を更新する見込みです。ブルームバーグが26日、確認した国債費の資料によると、内訳は利払い費が16兆5888億円、債務償還費が20兆25億円と、足元の金利上昇を反映させ、国債費の総額が26年度当初予算の31兆2758億円から17%増と、債券市場での金利高を受け大幅に伸びることになります。債券市場では高市政権発足以降、財政悪化懸念も相まって長期金利は急ピッチで上昇してきました。当初予算は高市政権の財政運営の方向性を示すもので、今後も同政権下では積極財政が継続されると思われます。その結果、債券が一段と売られ、金利上昇に伴い、さらに「国債費」が増加。財政悪化懸念が拡大し、円がさらに売られるといった構図も予想されます。
 
本日のドル円は158円50銭~160円程度を予想します。
 
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21/08/2026

2026年8月21日(金)
「米金利再び上昇し、ドル円も159円台に」
 
【ひと目で分かる昨晩の動き】NY市場
 
ドル円は反発。わずか1日で、米財務省が米国債買い戻し規模の増額を発表し急落した水準を回復。この日の高値は159円18銭。
 
ユーロドルは底堅く推移。対円では185円台後半まで続伸。
 
米金利が再び上昇したことから、株式市場では、3指数が大幅に下落。ダウは703ドル下げ、5万2千ドル台に。
 
債券は反落。長期金利は再び4.70%台に上昇。
 
金は続伸。原油も買われ、約1ヵ月ぶりに87ドル台に乗せる。
 
***********************
新規失業保険申請件数 → 20.6万件
8月フィラデルフィア連銀景況指数 → 47.4
7月景気先行指標総合指数 → 0.2%
***********************
 
ドル/円
158.51 ~ 159.18
 
ユーロ/ドル
1.1670 ~ 1.1695
 
ユーロ/円
185.24 ~ 185.83
 
NYダウ
-703.84 → 52,759.21ドル
 
GOLD
+26.10 → 4,571.40ドル
 
WTI
+2.00 → 87.83ドル
 
米10年国債
+0.059 → 4.704%
 
【本日の注目イベント】
 
日 7月全国消費者物価指数
独 独8月製造業PMI(速報値)
独 独8月サービス業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏8月消費者信頼感指数(速報値)
欧 ECB、ユーロ圏7月CPI予想
欧 ユーロ圏8月製造業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏8月サービス業PMI(速報値)
英 英8月製造業PMI(速報値)
英 英7月小売売上高
英 英8月サービス業PMI(速報値)
米 8月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
米 8月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)
米 8月S&Pグローバル総合PMI(速報値)
加 カナダ6月小売売上高
 
【本日のコメント】
 
前日、米財務省が「10-30年物米国債について、流動性支援のため買い戻し規模を少なくとも2倍に引き上げる」と発表し、十数年ぶりの高水準に達していた米長期債利回りを抑え込むための新たな試みを公表しましたが、昨日のNYでは米金利が上昇し、金利抑制効果は長続きしませんでした。米30年債はわずか1日で上昇分を失ったことになります。筆者も、この発表による影響は限定的と判断しましたが、ドル円も発表前の159円台まで戻っています。
 
ベッセント財務長官は20日、「今週末か来週初めにも、財政健全化を一段と重視する方針を発表する」とCNBCとのインタビューで述べました。これとは別に、トランプ大統領がこの取り組みを自身とボート行政管理予算局(OMB)局長に指示したと記者団に語っています。ベッセント氏は20日の市場動向について、「24時間以内の動向は全てノイズだ」と指摘し、長期国債の買い戻し増額について、1回のオペ当たりの額が今週発表した「40億ドル(約6350億円)を上回る可能性がある」と強調しています。さらに、国債利回りを低下させるため、財務省がどこまで追加措置を講じる用意があるのかと問われると、ベッセント氏は「われわれには多くの手段があるため、今後の状況を見極める」と述べ、「今回の措置には市場へのシグナルという側面もある。現在の利回りはファンダメンタルズを反映していないとわれわれが考えていることを示す狙いだ」と、説明していました。
 
その一方で、米国の公的債務残高が初めて40兆ドル(約6324兆円)を突破したと報告されています。30兆ドルの大台を突破したのが2022年1月だったことを考えると、連邦政府の借り入れ需要が急速に膨らんでいることを浮き彫りにしています。米財務省が19日に公表したデータによると、18日の営業終了時に、公的債務残高が40兆500億ドルに達しています。ブルームバーグは、「歴史的な高水準にある財政赤字への対応を求める声が上がる中でも、米議会は引き続き抜本的な対策に動いていない。ベッセント財務長官は19日これに先立ち、数年ぶりの高水準にある長期の借り入れコストを抑えるため、新たな措置に乗り出していた。借り入れコストは債務増加の大きな要因の一つとなっている。財務省は長期国債の買い戻しプログラムを拡充すると発表し、これを受けて国債利回りは低下したが、時間稼ぎの側面もある」と指摘しています。
 
トランプ大統領が前日、イランに対して「過去に例を見ないほどの経済制裁を課す」と述べていましたが、ベッセント財務長官も20日「イランとその貿易相手国を経済的に孤立させる計画を米政府が近く発表する」と話しています。ベッセント氏はCNBCとのインタビューで、「24日の記者会見で具体的な措置について話す」と述べ「経済的圧力とは、われわれが全ての同盟国に働きかけるということだ。これは史上最大規模の協調的な経済孤立化になる。われわれは同盟国に『われわれの側に付くのか、それとも敵に回るのか』と迫るつもりだ」と、厳しい内容を示唆していました。「同氏の警告は、2001年9月11日の対米同時多発テロ後に当時のジョージ・W・ブッシュ大統領が用いた表現を想起させる」(ブルームバーグ)。具体的にどのような措置を講じるのか、どの国が対象となるのかは明らかにしていません。ただ中国が対象になるのかと問われたベッセント氏は、「非公開で進めるのが望ましい話し合いも多い。ホルムズ海峡は極めて重要であり、その開放は誰もが望んでいる。中国がエネルギーの50%を湾岸地域から得ていることを忘れてはならない」と指摘し、「したがって、中国がこの取り組みに加わることは、中国自身にとっても大きな利益になる」と述べていました。イランへの経済制裁に、中国を巻き込もうとしていることが伺えます。中国政府はトランプ氏による警告について、「制裁や圧力では問題は解決しない」とし、「外交による解決」を呼びかけています。
 
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20/08/2026

2026年8月20日(木)
「米財務省、国債買い戻し増額を発表」
 
【ひと目で分かる昨晩の動き】NY市場
 
ドル円は159円台前半から急落。米財務省が「米国債の買い戻しを増額する」と発表したことで米金利が低下。ドル円は158円05銭まで下落。
 
ユーロドルも急反発。ユーロは一時1.1679まで買われ、5月以来の高値に。
 
株式市場では金利低下を好感し3指数が揃って反発したが、上昇幅は限定的。
 
債券は買われ、長期金利は4.64%台に低下。
 
金は大幅反発。原油は小幅高。
 
ドル/円
158.05 ~ 159.14
 
ユーロ/ドル
1.1603 ~ 1.1679
 
ユーロ/円
184.42 ~ 184.94
 
NYダウ
+119.65 → 53,463.05ドル
 
GOLD
+124.70 → 4,545.30ドル
 
WTI
+0.89 → 85.83ドル
 
米10年国債
-0.059 → 4.645%
 
【本日の注目イベント】
 
豪 豪7月雇用統計
日 7月貿易統計
独 独7月生産者物価指数
米 新規失業保険申請件数
米 8月フィラデルフィア連銀景況指数
米 7月景気先行指標総合指数
 
【本日のコメント】
 
ドル円は米財務省の想定外の発表に急落しましたが、現時点では下落幅は限定的とみています。米財務省は10―30年物米国債について、「流動性支援のため買い戻し規模を少なくとも2倍に引き上げる」と発表しました。十数年ぶりの高水準に達していた米長期債利回りを抑え込むための新たな試みで、発表を受けて利回りは急低下しドルが売られました。同省は2週間前、「流動性支援」を目的に、オフ・ザ・ラン債と呼ばれる流動性の低い既発債を最大380億ドル(約6兆200億円)買い戻すとの見通しを示していました。同省によれば、実施は9月9日から11月4日までの暫定日程です。10年-30年物の米国債を最大で計140億ドル相当買い戻す計画だったことから、この規模を少なくとも2倍にすれば、買い戻し額は140億ドル以上積み増されることになります。米財務省は「今回の買い戻し規模拡大は、年限が長めの名目国債への流動性支援を一段と強化する米財務省の意向を反映している」と声明で発表し、「長期債の買い戻しについては、質が高く、まとまった規模のオファーが恒常的に米財務省に寄せられており、市場参加者から安定した力強い参加があることが示されている」と説明しています。発表を受けてドルは売られ、ドル円は158円05銭、ユーロドルは1.1679まで「ドル安」が進みました。債券市場では、30年債利回りが一時10ベーシスポイント低下し、「5.18%」まで低下。10年債利回りも「4.64%」前後まで低下しました。米金利は前日には一時、2007年以来の高水準を付けており、今回の措置は米金利の上昇を抑える目的であることは明らかです。
 
7月28-29日に開催されたFOMC会合での議事要旨が公表されました。議事要旨では、「多くの参加者が、インフレが低下しなければ金融引き締めが必要になるだろうとの認識を示していた」ことが確認され、また、「幾人かの参加者は、同会合での利上げ決定が望ましいとの考えを示していた」ことが分かりました。7月会合では、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を3.5-3.75%に据え置くことを「9対3」で決定しました。ダラス連銀のローガン総裁、クリーブランド連銀のハマック総裁、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁の3人が、0.25ポイントの利上げを主張して反対票を投じたことも判明していました。7月会合で投票権を持たなかったカンザスシティー連銀のシュミッド総裁とセントルイス連銀のムサレム総裁もその後、同会合で利上げを支持していたとの考えを示しており、同会合では金融政策を巡る議論では、インフレ見通しの違いが大きな焦点となっていたことも判明。「参加者のインフレ見通しは極めて不確実で、イラン戦争が再び激化したことがインフレ見通しを不透明にした」と議事要旨には記されています。
 
トランプ大統領は北朝鮮の、金正恩労働党総書記と年内に首脳会談を行うことに意欲を燃やしているようです。ただ、トランプ氏側は盛んに同氏に「秋波」を送っているようですが、金氏の妹で朝鮮労働党総務部長を務める金与正氏が国営朝鮮中央通信を通じて発表した声明で、「両首脳の関係は引き続き、極めて良好だ」と述べつつ、「しかし、朝鮮民主主義人民共和国に対する米国の敵視政策は変わっていない」と続けており、首脳会談の実現には否定的でした。「この声明は、トランプ氏が17日、首脳間の対話を求める働きかけに金氏から返答があったと述べたことを受けたものだ。トランプ氏は19日、金正恩氏と書簡のやり取りはあったのかとの質問に回答を拒否。それでも金氏とは『非常に良好な』関係にあると主張し、年内に会談する見通しかとの記者の質問に『ああ、そうなるだろう』と答えていた」(ブルームバーグ)と伝えられ、実現の可能性はそれほど高くはありません。トランプ氏がこれ程までに金氏との首脳会談の実現に奔走するのは、もちろん11月の中間選挙を意識しているからです。イランとの戦争終結が見通せなくなった現時点で、次の起死回生を図る起爆剤は金氏との首脳会談しかありません。韓国との合同軍事演習の縮小を決めたのも、「多額の費用がかかる」ことを、その理由の一つにしていましたが、本音は、金氏を刺激したくなかったからでしょう。これに関しても金与正氏は声明で、「米大統領が突然発表した米韓合同軍事演習の縮小について、われわれは関心がなく、論評する価値すらないと考えている」と主張していました。「今更、中間選挙勝利への踏み台にはならないよ。その手は食わない」と言っているようなものです。ロイター通信と調査会社イプソスが17日に発表した調査結果によると、トランプ大統領の支持率は「33%」で、7月の前回調査から2ポイント低下しています。不支持率は「64%」と、今回の政権では最低を更新しています。イランとの戦争と、それに伴う物価高が不支持につながっているものとみられます。因みに、イランへの武力攻撃を支持するかどうかの質問に対しては、「34%」が支持、「61%」が不支持でした。
 
米財務省の唐突の発表にドル円は158円ギリギリまで売られましたが、米国の台所事情は決して楽ではなく米金利上昇は避けたいところ。ましてやイラン戦争に伴う戦費は巨額で、米国債には今後も売り圧力がかかりそうです。現時点ではまだドル高の流れは変わっていないと考えています。通貨当局がドルの水準を押し下げたいのであれば、このような状況こそ「チャンス」と思えますが・・・・。
 
本日のドル円は157円50銭~159円50銭程度を予想します。
 
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19/08/2026

2026年8月19日(水)
「米長期金利一時4.75%に上昇」
 
【ひと目で分かる昨晩の動き】NY市場
 
ドル円は東京時間の午後に159円78銭前後まで買われたが、NYでは介入警戒感などから上値は重く、159円台半ばで推移。
 
ユーロドルは小動きの中、引き続き1.15台半ばから後半で膠着。
 
株式市場では3指数が揃って3日続落。イラン情勢の膠着と金利高が続き、株式市場には逆風。S&P500は53ポイント安。
 
債券は続落して始まり、長期金利は一時4.75%まで上昇したが、その後買い戻しが入り、4.70%台に低下。
 
金は反落し、原油は小幅ながら3日続伸。
 
********************
7月輸入物価指数 → -0.4%
7月輸出物価指数 → -1.3%
7月住宅着工件数 → 123.9万件
7月建設許可件数 → 144.3万件
7月鉱工業生産 → 0.2%
7月設備稼働率 → 76.3%
7月中古住宅販売成約指数 → -2.3%
********************
 
ドル/円
159.44 ~ 159.72
 
ユーロ/ドル
1.1571 ~ 1.1588
 
ユーロ/円
184.70 ~ 184.87
 
NYダウ
-116.38 → 53,343.40ドル
 
GOLD
-53.10 → 4,420.60ドル
 
WTI
+0.44 → 84.94ドル
 
米10年国債
-0.018 → 4.704%
 
【本日の注目イベント】
 
豪 豪第2四半期賃金指数
欧 ユーロ圏6月経常収支
英 英7月消費者物価指数
米 FOMC議事録(7月28-29日分)
 
【本日のコメント】
 
日本の10年債が売られ、連日で最高水準を記録しています。一部の見方にもありましたが、長期金利の3%は「単なる通過点」となりそうな勢いです。日米協調の為替介入により日銀の早期利上げは織り込まれたものの、円安や長期金利の上昇は止まっていません。「積極財政の旗を降ろさず、円安に対しても本気で止めようとしているのか、市場は高市早苗首相の真意を測りかねている」(ブルームバーグ)との声も聞かれます。日米協調介入の後、ベッセント財務長官が求める日銀の利上げが9月にも実現しそうだという見方が強まり、スワップ市場が織り込む9月の利上げ確率は8割弱に上昇。来年1月までに2回の利上げがほぼ完全に織り込まれています。日銀がインフレに対して後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」懸念が緩和されれば、少なくとも年限の長い債券には好材料との見方が強かったようですが、実際にはそうなっていません。長期金利(10年債利回り)は「2.96%」まで上昇し、1996年以来の高水準を連日で更新していますが、超長期金利はそれ以上に上昇しています。30年債や40年債利回りは4%を大きく上回っています。「円安や金融政策について『だんまり』を続ける高市首相の姿勢も金利上昇を後押ししている。トランプ大統領が協調介入は日本との友好の証しとの認識を示したにもかかわらず、高市首相から表だった反応はなし。本気で円安を止める気があるのかという疑念が根強い。『これ以上の円安は望まない』という高市首相の肉声が市場に届かない限り、円安はおろか、3%では金利上昇も止まらないだろう」とブルームバーグは警告しています。
 
米国でも昨日は朝方から債券が売られ、長期金利は一時「4.75%」まで上昇。1年7ヵ月ぶりの高水準を記録しました。その後、住宅関連指標が軟調だったことで債券が買われ同金利は低下して取引を終えましたが、ホルムズ海峡を巡る膠着が原油高につながり、インフレ懸念を払拭できない状況が債券への売り圧力になっています。トランプ大統領は18日、「イランとの協議や対話は行われておらず、予定もない」とSNSに投稿し、中東での紛争とホルムズ海峡の支配を巡る問題は決着が見通せない状況に陥っています。17日には、米国とイランが6月に締結した覚書が期限を迎え、トランプ氏は延長しない考えを示していました。また、米金利の上昇が、円金利の上昇による影響だと、ベッセント財務長官が再認識するようだと、再び日銀に早期の利上げ圧力がかかる可能性もあります。もっと言えば、韓国との合同軍事演習縮小に見られたように、トランプ大統領から高市政権に対しても圧力がかかることも考えられます。NY株式市場では、金利高から主要3指数が揃って3日続落しました。
 
最後に・・・。
 
トランプ政権は国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長と上級法廷弁護士に対する制裁を発表しました。ルビオ国務長官は声明で、ICCについて「腐敗し、致命的なほど政治化された超国家的な裁判所で、悪意を持って権限を乱用し、その職権の範囲を逸脱してきた」と主張。さらに、「米国の主権を脅かすことができなくなるまでICCを組織的に解体する」ため、追加措置を講じる可能性を示しました。ICCの締約国ではない米国とイスラエルをICCは不当に標的にしてきたことに対する報復とのことです。「ICCは戦争犯罪やジェノサイド、その他の残虐行為を訴追するため、2002年にオランダのハーグで設立された。2024年には、ガザでの戦争犯罪疑惑を巡り、イスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を発付。ロシアのプーチン大統領を含む60人に逮捕状を発付し、21人を拘束している。オランダのベーレンドセン外相は『国際裁判所や法廷は、その任務を自由に遂行できなければならない』とSNSに投稿し、今回の措置を非難した」とブルームバーグは伝えています。「America First」もここまで来たかと驚きましたが、自由と平和と平等の象徴である米国が再び歴史に汚点を残したことになります。
 
ドル円は大きな値動きを見せませんが、160円に向かって一歩一歩階段を上っているような動きです。昨日の午後、円金利が一段と上昇したにもかかわらず、ドル円は買われました。円金利の上昇は、本来は円高材料になりますが、ここでは「悪い金利上昇」と受け止められたのでしょう。円安・株安・債券安の「トリプル安」が示現しました。
 
本日のドル円は158円50銭~160円程度を予想します。
 
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18/08/2026

2026年8月18日(火)
「WTI原油価格84ドル台に」
 
【ひと目で分かる昨晩の動き】NY市場
 
ドル円は中東情勢の不透明感を背景に小幅に続伸。東京時間には円金利の上昇に158円80銭台まで押される場面があったが、NYでは原油が上昇したこともあり159円60銭までドルが買われる。
 
ユーロドルも買われ、ユーロは1.1599まで上昇。ユーロ円などクロス円を買う動きが活発に。ユーロ円は184円76銭近辺まで続伸。
 
株式市場では、米金利の上昇と、イラン戦争の早期終結観測が後退したことで、3指数が揃って続落。
 
債券も売られ、長期金利は4.72%台に上昇。
 
金は続伸。原油も2ドルを超える上昇で84ドル台に。
 
*********************
8月NY連銀製造業景況指数 → 20.6
8月NAHB住宅市場指数 → 35
*********************
 
ドル/円
159.20 ~ 159.60
 
ユーロ/ドル
1.1572 ~ 1.1599
 
ユーロ/円
184.52 ~ 184.76
 
NYダウ
-272.63 → 53,459.78ドル
 
GOLD
+36.40 → 4,473.70ドル
 
WTI
+2.10 → 84.50ドル
 
米10年国債
+0.030 → 4.722%
 
【本日の注目イベント】
 
豪 豪8月ウエストパック消費者信頼感指数
独 独8月ZEW景気期待指数
英 英7月失業率
英 英ILO失業率(4-6月)
米 7月輸入物価指数
米 7月輸出物価指数
米 7月住宅着工件数
米 7月建設許可件数
米 7月鉱工業生産
米 7月設備稼働率
米 7月中古住宅販売成約指数
 
【本日のコメント】
 
日本の債券市場では昨日、10年債がさらに売られ、長期金利は30年ぶりとなる「2.93%」まで上昇しました。高市政権の積極財政路線に変化はなく、日本の財政懸念が払拭されていないことが根本的な背景になっています。今朝の報道では「今週にも3%の大台に達する」とか、「3%は通過点にすぎない」といった、債券相場の一段安を予想する記事が満載でした。OIS市場では9月の利上げ予想が80%を超えており、もはや「当確」といった状況です。バンク・オブ・アメリカ証券は、「日銀は政策金利を2027年7月までに4回引き上げ、2%にする」と予想するリポートを出していました。政策金利が2%まで引き上げられるとすれば、インフレが相当進み、長期金利は3.5%程度まで上昇すると見込む必要もあります。確かに、上述のように9月利上げがほぼ見込まれる中でも、ドル円は昨日のNYでは159円60銭まで買われ、日米が協調介入を実施し、ドル円が155円台まで急落して以来のドル高を記録しています。この動きは、市場が9月利上げをすでに織り込んでいる証左とも言えます。利上げを行っても円安が止まらず、さらに追加利上げを行うといった「負の連鎖」に陥れば、可能性は低いと思われますが上記4回の利上げもないとは言えません。
 
円金利の上昇にNYでも米国債が売られ、長期金利は「4.72%台」まで上昇。30年債も「5.31%」まで上昇し、こちらは20年ぶりの高水準になっています。ベッセント財務長官が以前警告していたように、円金利の上昇が米金利の上昇にもつながる「悪循環」になっています。NY連銀は、ある意味このような事態を避ける意味で「協調介入」に踏み切ったとの見方もあり、円金利がさらに上昇するようだと、ベッセント氏からさらに強い要請もあるかもしれません。金利上昇は、企業の借り入れコストを押し上げ、企業はその分、価格に転嫁することになります。すでに9月から値上げを行う製品は目白押しです。「失われた30年」の逆バージョンがゆっくりと、しかし確実に進行していると思われますが、どうでしょう?
 
中東和平の見通しに新たな暗雲が広がってきました。トランプ大統領は17日、期限切れを迎えるイランとの暫定合意を延長する考えはないと表明したほか、レバノンでは戦闘が再び激化しています。トランプ氏はFOXニュースとの電話インタビューで、米海軍によるイラン港湾の封鎖が同国に圧力をかけていると述べた上で、「紛争終結の期限は設けていない」と述べています。形式上この日期限を迎えるイランとの覚書を延長する意向があるかとの問いに、「ない」と答えていました。6月に署名されたこの停戦合意は、米国とイランが60日以内により恒久的な和平合意に達するための時間を確保することを目的としていました。また、「オマーンが邪魔をすれば、徹底的に爆撃してやる」とも警告しています。オマーンはホルムズ海峡の管理方法をめぐってイランと交渉しており、合意も近いとされていますが、米国は協議に参加していません。イラン外務省のバガエイ報道官は17日、集中的な協議は続いているものの、安全保障上の複雑な問題や「破壊的な勢力による妨害行為」のため、合意には時間がかかっていると記者団に述べています。さらにレバノンでの戦闘再燃が、行き詰まる米・イラン交渉の再開を一段と難しくする可能性があります。
 
トランプ大統領は、韓国との合同軍事演習を「大幅に縮小」するよう国防総省に指示したことを明らかにしました。この背景には、長年の同盟国である韓国が、米国による対イラン戦争への支援を拡大しなかったことへの不満があることと、北朝鮮の金正恩総書記との対話を優先するための配慮との見方があります。トランプ氏は16日のSNSへの投稿で、「軍事演習には多額の費用がかかり、北朝鮮に不適切なシグナルを送ることになる」と指摘。「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記との非常に良好な関係」に言及していました。これまで長い間続いてきた韓国との合同軍事演習の縮小にも言及したトランプ氏。現在、同盟国の中でも最も米国に近いと言われる日本も、トランプ氏の意向に沿わない方針を示せば、日本にも同様の事態が起こる可能性を示唆しているのではないかと思われます。17日には、金正恩氏から、両首脳の対話を求める働きかけに返答があったと明らかにしています。トランプ氏は大統領執務室で記者から、金氏が対話の呼びかけに返答したかと問われ、「返答した」と述べ、その上で、この動きを「非常に前向きだ。金正恩氏は常に私に大きな敬意を払ってきた。私は彼を理解しているし、彼も私を理解している」と発言しています。また、トランプ氏は金氏について、「彼はバイデン氏が好きではなかった。オバマ氏も好きではなかった。誰のことも好きではなかった。しかし、私は彼とうまくやっている。いや、私がやっていることで、より安全になっている。まったく逆だ」と説明していました。中間選挙を前に、イランとの戦争終結が困難とすれば、北朝鮮との友好関係を強調し、あわよくば首脳会談にまで持っていくことが出来れば、「起死回生のホームラン」になる可能性もなくはありません。
 
前回も指摘しましたが、ドル円は雲の中でもみ合っており、上値は一目均衡表の「転換線」(日足)がある159円61銭近辺で常に上昇を抑えられています。目先はこの水準を上抜けできるかどうかで、もし上抜けに成功した場合には160円の大台が次のターゲットになります。今日は、日本の債券市場に注目したいと思います。本日のドル円は158円50銭~160円程度を予想します。
 
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17/08/2026

2026年8月17日(月)
「米7月の小売売上高は前月比マイナスに」
 
【ひと目で分かる昨晩の動き】NY市場
 
米7月の小売売上高が「-0.6%」だったことで、ドル円は下落。158円60銭まで売られたが、その後はいつものように反発。159円30銭台で取引を終える。
 
ユーロドルはやや買われ。1.1585まで上昇したが、依然として1.15台で推移。
 
株式市場では経済指標の悪化に3指数は揃って下落。ダウは107ドル下げ、ナスダックは73ポイント下落。
 
債券も売られ、長期金利は4.69%台に上昇。
 
金は反発し、原油も上昇。
 
***************************
7月小売売上高 → -0.6%
8月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 51.0
***************************
 
ドル/円
158.60 ~ 159.40
 
ユーロ/ドル
1.1562 ~ 1.1585
 
ユーロ/円
183.78 ~ 184.45
 
NYダウ
-107.58 → 53,732.41ドル
 
GOLD
+16.90 → 4,437.30ドル
 
WTI
+1.15 → 82.40ドル
 
米10年国債
+0.049 → 4.692%
 
【本日の注目イベント】
 
日 4-6月GDP(速報値)
日 6月鉱工業生産(速報値)
中 中国7月小売売上高
中 中国7月鉱工業生産
米 8月NY連銀製造業景況指数
米 8月NAHB住宅市場指数
加 カナダ7月消費者物価指数
 
【本日のコメント】
 
先週末に発表された米経済指標はいずれも市場予想を下回りドル円は売られましたが、その後反発する動きを見せ、これまでと同様に159円台に乗せて戻ってきました。「7月の米小売売上高」は、前月比「0.6%減」と市場予想の「0.1%増」から大きく減少し、2025年5月以来の大幅な落ち込みでした。ブルームバーグは、「26年前半に堅調だった個人消費の勢いが7月にやや鈍ったことが示された。一部のアナリストは、アマゾン・ドット・コムが今年、プライムデーのセールを前年の7月から6月に変更した影響で、消費支出も前倒しされ、今回の数字に影響した可能性があると指摘した」と報じています。さらにその後に発表された「8月のミシガン大学消費者マインド」(速報値)も3カ月ぶりの低下となっていました。ミシガン大学の消費者調査ディレクター、シュー氏は「月前半の景況感悪化は幅広い層に及んだが、特に高齢者や低所得者、大学の学位を持たない人々で大幅な低下が見られた」と発表文で指摘し、「これらの層はいずれも、インフレによる購買力低下の影響を特に受けやすい」と続けました。消費者は、物価上昇が続き、イランとの戦争にも終結の兆しが見えないことで、将来に対する慎重な姿勢を強めていることが明らかになったようです。ただ労働市場を始め、多くの経済指標はどちらかといえば下振れ傾向を示していますが、FOMCメンバーの中には依然利上げに前向きな人も多く、9月会合での利上げ確率は低下してはいます。現時点では9月の利上げ確率は「30.8%」で、10月が「20.7%」、12月が「39.1%」と、最も高くなってはいますが、相対的には決して高いレベルではありません。ただ、まだ予断は禁物です。
 
戦争は米国とイランだけではなく、ロシアとウクライナとの戦争も再び激化して、双方の攻撃はお互いに首都にまで及んでいます。ウクライナはロシアのモスクワ首都圏一帯に、最近では最大規模の一つとなるドローン攻撃を実施しました。一連の攻撃で、モスクワ近郊にあるロシア通販大手ワイルドベリーズの配送センターで火災が発生したと、モスクワ州知事が明らかにしました。600機ほどのドローンが攻撃に使用されたようですが、ロシア国防省によると、一晩で迎撃したウクライナのドローンは全体で過去最多の822機に上ったとされています。ワイルドベリーズは、ロシア版アマゾンとも呼ばれる通販大手で、ロシアの物流インフラを狙うウクライナの攻撃で繰り返し標的となっています。「7月半ば以降、同社の倉庫は少なくとも20カ所が攻撃を受けた。今回の攻撃で被害を受けた配送センターは、同社がモスクワ州に持つ主要拠点の一つだ。一方、ロシア軍はウクライナの黒海沿岸にあるオデーサや近隣地域、首都キーウを標的に、ミサイルやドローンによる攻撃を続けた。ルーマニア国防省によると、NATOの任務に就いていたスペインの戦闘機が16日早朝、ウクライナ国境に近いモルドバからルーマニア領空に侵入したドローンを撃墜した」(ブルームバ-グ)とのことです。
 
さらにイスラエルも攻撃の手を緩めていません。イスラエル軍はこの週末に再びレバノンを攻撃し、ここ数カ月で最も多くの死者を出しています。行き詰まる米国とイランの交渉に一段の圧力がかかっており、米国は新たな制裁措置の準備も進めている模様です。イスラエル国防軍は16日、レバノン南部で前日に行った攻撃により、親イラン・イスラム教シーア派組織ヒズボラ軍事部門の上級司令官、アブ・ハッサン・アラー氏を殺害したと発表しました。今回のイスラエル軍の空爆で計11人が死亡したと報じられています。イスラエルのネタニヤフ首相は今回の攻撃について、15日にヒズボラが行った攻撃で兵士3人が負傷したことへの報復だったと説明しています。イスラエルは16日、脅威があると判断した場合はヒズボラに対する攻撃を再び実施する方針を示しています。イラン戦争を巡る周辺地域で戦闘が激化したことで、膠着しているとみられる米イランの交渉は一段と複雑化する可能性があります。6月に結ばれた米イランの暫定合意は17日に形式上の期限を迎えますが、ホルムズ海峡を巡る問題では打開への道筋が見えず、米国は「経済的孤立」計画を準備していると報じられています。トランプ大統領は14日、FOXニュースに対し、米国はイラン経済に大きな打撃を与える計画だと述べ、11月の中間選挙までに紛争が終結するかどうかは気にしていないとも語ったとされていますが、同氏への支持率が急激に低下している中、イラン戦争の終結が「起死回生の最大の起爆剤」であることは、自身も十分認識しているようです。それまでには、自身が折れるか、総攻撃をかけるのかの選択を迫られる可能性が高いのではないかとみています。
 
本日のドル円は158円30銭~159円80銭程度を予想します。
 
【ご注意】このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
 
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14/08/2026

2026年8月14日(金)
「米7月のPPIは4.7%に低下」
 
【ひと目で分かる昨晩の動き】NY市場
 
ドル円は「米7月のPPI」発表後に159円03銭まで下げたが、その後は再びドル買いが旺盛に。159円57銭までドル高が進み、160円を試す展開か。
 
ユーロドルは依然として1.15台を、上へも下へも抜けきれず。値幅も21ポイントと膠着状態が続く。
 
株式市場では、インフレの鈍化傾向を好感し3指数が揃って上昇。S&P500は50ポイント買われ、先週に続き最高値を更新。
 
債券は買われ、長期金利は4.64%台に低下。
 
金は5日ぶりに反落。原油も2ドルを超える下落。
 
***********************
新規失業保険申請件数 → 20.9万件
7月卸売物価指数 → 4.7%(前年同月比)
***********************
 
ドル/円
159.03 ~ 159.57
 
ユーロ/ドル
1.1524 ~ 1.1545
 
ユーロ/円
183.55 ~ 183.94
 
NYダウ
+69.72 → 53,839.99ドル
 
GOLD
-47.10 → 4,420.40ドル
 
WTI
-2.02 → 81.25ドル
 
米10年国債
-0.057 → 4.643%
 
【本日の注目イベント】
 
欧 ユーロ圏4-6月期GDP(改定値)
欧 ユーロ圏6月貿易収支
米 7月小売売上高
米 8月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
 
【本日のコメント】
 
ドル円は、先週末の雇用統計発表後に156円台半ばまで下落しましたが、今週はジリジリと上値を切り上げ、昨日のNYでは159円57銭までドルが買われました。介入警戒感が再び強まる中、160円をテストする可能性が高まっていると観られます。
 
米国側からは、ドル安材料が観られ、米金利が低下傾向を見せている中でも円が売られています。先日発表された「米7月の消費者物価指数」でインフレの鈍化傾向が観られ、さらに昨日は「7月の卸売物価指数」が市場予想を大きく下回ったにもかかわらず、ドル円は159円台半ばまで戻っています。労働市場の減速も受け、FRBが9月会合で利上げに動く可能性はかなり低下してきました。NY株式市場と債券市場ではそれを織り込む形で株と債券が買われ、「S&P500」は今月5日に続いて最高値を更新しています。ただ、為替市場では相変わらず円売り圧力が強く、この動きは、160円台を見ないと収まらない相場つきになっている印象もあります。昨日はさらに、高市政権が日銀の利上げを支持しているとの報道もありましたが、円売りの流れは止まっていません。
 
ブルームバーグは、「政府が日米協調の為替介入の効果を維持する観点から早期の利上げを支持しており、日本銀行は9月か10月に開催する金融政策決定会合での政策金利引き上げを視野に入れている。複数の関係者への取材で分かった。同関係者らによると、円安進行による物価上昇を警戒する日銀と、円買い介入の効果を強めたい政府との思惑が一致したという。高市政権はこれまで早期利上げに慎重だったが、関係者の1人は、7月31日の会合後の会見で植田和男総裁が利上げについて踏み込んで発言することを支持する考えを事前に伝えていたと話した」との記事を配信しましたが、円買いにはつながっていません。市場は、高市氏は基本的には利上げには反対しており、これが「本音」ではないことを知っているかのようです。米国側の「円高材料」にも反応せず円売りが続いていることで、今後の焦点は、日銀の「利上げのタイミングとそのペース」に、市場の注目が移ったと考えます。筆者は10月会合での利上げを予想していますが、今の状況が続くとすれば、9月利上げの可能性が高まったと思います。さらに会見で、植田総裁はかなり「タカ派」色を前面に出す必要があります。これまで通り、「物価情勢を見極めながら、緩和度合いを調整していく」といった弱いメッセージでは、再び円が売られてしまう可能性があるからです。
 
米国では、7月のCPIとPPIでインフレが思ったほど進んでいなかったことが確認されましたが、クリーブランド連銀のハマック総裁は、最近みられるインフレ鈍化の兆しが今後も続くかどうかに疑問を示し、今すぐに利上げを実施すべきだと改めて表明しました。ハマック氏は13日、オハイオ州の商工会議所でのイベントで講演。「こうした数字が低めに出ているのは良いことだ。ただ、この傾向が今後も続くのか、あるいはインフレ率を2%の水準まで押し下げるほど十分に低い数字が続くのか、確信は持てない」と述べ、その上で、金利に関して「今こそ行動する必要がある」と話しました。ハマック氏は、先月のFOMCで利上げ支持し、政策金利の据え置きに反対票を投じていました。10日のヤフー・ファイナンスとのインタビューでも、金利は経済を「有意には抑制していない」として、複数回の利上げが必要になる可能性があるとの考えを示していました。もっとも、同氏はタカ派の中でも「代表格」であることを理解しておくべきかもしれません。一方、リッチモンド連銀のバーキン総裁は、インフレ鈍化の兆しを踏まえ、金利据え置きには根拠があるとの見方を示しました。ただ、一部の物価上昇圧力が根強く残ることで、金融当局が最終的に政策引き締めを迫られるリスクがあることも認めています。バーキン氏は13日、サウスカロライナ州グリーンビルでの講演で「現在のインフレ高止まりの大部分は、いずれ収まるはずのショックによるものだ」と述べ、さらに「インフレ率はあまりに長く高すぎる水準にあり、企業や消費者の物価見通しが上振れするリスクがある」とし、「そうなれば、インフレ率を目標まで完全に引き下げるために追加の対応が必要になる」と述べていました。現時点での9月の利上げ確率は「34.9%」まで低下しています。
 
本日のドル円は158円50銭~160円程度を予想します。
 
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13/08/2026

2026年8月13日(木)
「米7月のCPIは予想通り」
 
【ひと目で分かる昨晩の動き】NY市場
 
米7月のCPIは市場予想通りだったが、インフレが鈍化傾向を示していたことでドル売りが先行。ドル円は158円69銭まで売られたが、その後は買い戻され元の水準に。
 
ユーロドルは買われ1.1566まで上昇したものの、上値が重い展開。
 
株式市場はまちまち。ダウは3日続落したが、他の2指数は3日続伸。
 
債券は小幅に売られ、長期金利は4.69%台で推移。
 
金は4日続伸。原油も小幅高。
 
************************
7月消費者物価指数 → 3.4%(前年同月比)
************************
 
ドル/円
158.69 ~ 159.54
 
ユーロ/ドル
1.1520 ~ 1.1566
 
ユーロ/円
183.47 ~ 183.83
 
NYダウ
-21.58 → 53,770.27ドル
 
GOLD
+26.40 → 4,467.50ドル
 
WTI
+0.07 → 83.27ドル
 
米10年国債
+0.004 → 4.692%
 
【本日の注目イベント】
 
欧 ユーロ圏6月鉱工業生産
英 英4-6月期GDP(速報値)
英 英6月鉱工業生産
米 7月生産者物価指数
英 英6月貿易収支
米 新規失業保険申請件数
米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
 
【本日のコメント】
 
米7月の総合消費者物価指数(CPI)は前月比で「0.1%」上昇。前年同月比では「3.4%」上昇と、両指数とも市場予想と一致していました。ただ、物価上昇率が鈍化傾向を示し、利上げ観測が弱まったためドル売りが先行し、ドル円は一時158円69銭まで下落しました。それでも、イラン情勢の不透明さや日本の財政悪化懸念が払拭できていないことを手掛かりにドルは反発。結局ドル円は、発表前の159円台前半より円安が進み、159円54銭まで買われています。株式相場は上昇して始まり、米国債利回りは低下。金利スワップ市場では、10月の利上げ確率が前日の約75%から約60%に低下しましたが、利上げは12月までに完全に織り込まれている状況です。ブルームバーグは、「今回のCPIは、イランとの戦争に伴うエネルギー価格急騰の影響が7月も引き続き薄れたことを示唆している。FOMCは9月15、16両日の会合で利上げの是非を検討する際、インフレ圧力と最近の雇用鈍化をより慎重に見極めることができそうだ。9月会合までには雇用とインフレに関する統計がさらに発表される。今月後半にワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次経済シンポジウムでのウォーシュFRB議長の発言にも注目が集まっている」と伝えています。ジャクソンホール会合は、8月27~29日まで開催される予定です。先週末の雇用統計と今回のCPIでは、ともにドル売りが先行しましたが、最後はドルが買われる展開です。根底には高市政権の財政拡大政策があり、来年4月から実施されるとみられる「食料品の消費税1%」への減税も財源が不明で、これも財政悪化懸念を増幅させています。因みに、先週10日に財務省が発表した、国債と借入金、政府短期証券を合わせた、いわゆる「国の借金」は、2026年6月末時点で「1346兆6833億円」と、過去最大を更新していました。
 
ブルームバーグは、イラン国内で戦争への対応を巡って数週間にわたり激しい内紛が公然と繰り広げられていると伝えています。穏健派のペゼシュキアン大統領が、暗礁に乗り上げた米国との和平合意を支持しているとして、強硬派から辞任を要求されているようです。これに対し、圧力にさらされている同氏は長時間にわたるテレビインタビューに応じ、自らの意見を変えるつもりはないと表明しています。ペゼシュキアン氏は先週、モジタバ・ハメネイ師と連絡を取るのは「非常に難しい」と国営テレビで語ったことで、3月に最高指導者に就任して以来、公の場に姿を見せていないモジタバ師の所在を巡る臆測が再び広がりました。しかし、ペゼシュキアン氏は10日までに国営放送に対し、実際にはモジタバ師と最近、「7-8時間」にわたって会談したと説明。これについて、「非常に良い会談だった」とテヘランで開かれた政治各派の代表らとの会合に際して述べ、悪化する国民生活への対応策や、モジタバ師が最も強く懸念する国内の「団結と結束」を話し合ったと主張しています。「モジタバ師の負傷の程度は明らかにされていない一方ペゼシュキアン氏は10日、モジタバ師は完全に健康だと主張。しかし、同師が公の場から姿を消していることで権力の空白が生じ、以前から見られていた各派の政治的対立が激化し、それが公の場にも表れてきている」とブルームバーグは伝えています。イランでは、最高指導者であるモジタバ師の意見が大統領よりも上で、革命防衛隊などが強く支持する同師と、穏健的な大統領や外相との間で対立があるとの見方もあります。
 
このような状況の中戦争は6カ月目に入り、戦闘自体は落ち着いたものの、仲介役のパキスタンとカタールが目指す持続的な和平の実現はますます難しくなっている模様です。トランプ大統領はここ数カ月、イランへの攻撃再開をちらつかせる一方で、停戦協議の進展に自信を示すなど、姿勢が揺れ動いています。12日には「ホルムズ海峡を完全に掌握している」とSNSに投稿しましたが、イランは海峡を航行する船舶を攻撃することで、このような主張を繰り返し否定してきました。パキスタンのハワジャ国防相は11日、イスラマバードでブルームバーグの取材に対し、米国とイランは「何らかの合意に近づいている」と述べましたが、詳細は明らかにしていません。このままでは双方とも折れることはなく、「少なくともこの状況は11月の中間選挙まで続く」との見方も、有力視されています。戦争が続き、巨額の財政赤字が見込まれる中、昨日行われた米10年債の入札では、最高落札利回りが「4.683%」と、金融危機以来の高さとなり、話題を集めています。
 
ボストン連銀のコリンズ総裁は、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、「経済データ次第では、9月にも利上げを支持する可能性がある」と述べ、「最新の雇用者数の数字を過度に重視すべきではない。失業率は比較的安定している」と指摘しました。また、「強弱が入り交じる労働市場データよりも、インフレのリスクの方が大きい。注視すべき点は多いが、インフレ率は高過ぎる」と語っています。現在はFOMCで投票権を持たないコリンズ氏ですが、「ディスインフレが徐々に定着すると予想して」、7月会合では政策金利の据え置きを支持していました。
 
本日のドル円は158円50銭~160円程度を予想します。
 
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