18/02/2023
17日の米国株市場で主要3指数がマチマチで終えたワケ
S&P500は一時1%の下落
17日の米株式市場では主要株価指数が高安まちまちで終了。インフレを2%目標に戻すために必要な引き締めのペースを巡り、米金融当局者からタカ派的な発言が聞かれたが、押し目買いの動きも見られた。
S&P500種株価指数は一時1%下落していたが、下げ幅を縮小。生活必需品株や公益事業銘柄が買われた。週間ベースでは0.3%安。一方、ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は週間で0.4%上昇した。
金利スワップ市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)が今後2回の会合でそれぞれ0.25ポイントの利上げを実施するとの見方が完全に織り込まれている。前日には米金融当局の最もタカ派の2人であるクリーブランド連銀のメスター総裁とセントルイス連銀のブラード総裁が、0.5ポイントの利上げを支持する可能性を示唆していた。
リッチモンド連銀のバーキン総裁はこの日、1月31日-2月1日のFOMC会合で0.25ポイント利上げを支持したことを明らかにした。連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は、インフレを抑制するため利上げを続けるべきだと指摘した。
B. ライリー・ウェルス・マネジメントのチーフ市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は「市場は新たな綱引き状態にあるようだ。米国債利回りは金利が『より高い水準に、より長期間』とどまるとの見方を反映している一方、株価はソフトランディングの可能性を示唆している」と指摘。「こうした見解相違は株式相場で顕著のようで、この日のように毎朝下落して取引を開始するが、その後下げ幅を縮小する」と話した。
ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏は「金利が『より高い水準に、より長期間』とどまるとする米金融当局の主張を投資家がようやく信じ始めているならば、相場は今後数週間に著しく下落する可能性がある。株価がこれほど割高な中、金利や流動性に関する投資家の考えが変わっているというのは危険な組み合わせだ」と述べた。
米国債
米国債は上昇。朝方は下落していたが、上げに転じた。連休を控え、売られ過ぎの状態を解消する動きを反映している。金融政策に敏感な2年債利回りは週間では大きく上昇。この日も一時7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げて4.71%と、昨年11月に付けた十数年ぶり高水準にあと10bp以内に迫った。
TDセキュリティーズの金利戦略グローバル責任者、プリヤ・ミスラ氏は「2年債利回りは11月に付けた高水準に再び上昇し得ると考えている」と指摘。来週に相場を動かす材料となり得るのは1月の米個人消費支出(PCE)統計だと述べた。PCE統計には、金融当局が注目する価格指数が含まれる。
外為
外国為替市場ではドル指数が週間ベースで昨年9月以来最長の3週続伸。堅調な米経済指標や米金融当局者のタカ派的な発言が背景にある。
円はこの日、対ドルで1ドル=134円台前半に小幅下落。一時は0.9%安の135円10銭を付ける場面もあった。
アタナシオス・バンバキディス氏らバンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは「年前半についてはドルに強気な見方を維持する。市場が期待するゴルディロックスは間違いだと分かるのに伴うリスク回避の動きのほか、早期の米利下げの織り込みを解消する動きにドルは支えられる」と述べた。
原油
ニューヨーク原油相場は4日続落。今年に入って最長の連続安となった。今週は米原油在庫の大幅増に加え、米金融当局者のタカ派発言を受けて、売りが膨らんだ。
ゴールドマン・サックス・グループの商品リサーチ世界責任者、ジェフ・カリー氏は「再びレンジ取引に入ったことにより、市場は慎重になっている。構造的な強気相場になると見込んで投資するには、シクリカル的な証拠がさらに必要だ」と述べた。
ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物3月限は、前日比2.15ドル(2.7%)安の1バレル=76.34ドルで終了した。ロンドンICEの北海ブレント4月限は2.14ドル安の83ドルちょうど。
金
ニューヨーク金先物相場は小反落。リッチモンド連銀総裁の発言をきっかけに下げ渋る展開となった。同総裁は今月のFOMC会合で0.25ポイント利上げを支持したことを明らかにした上で、今後もインフレ沈静化に向けた取り組みとして、同幅での利上げが望ましいとの考えを示した。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は、前日比1.60ドル(0.1%)安の1オンス=1850.20ドルで終了した。週間では1.3%安。米追加利上げ観測の強まりが背景にある。